植物と動物の違い

海の中って、一見して「はい、これは植物」「これは動物」と言えない、あいまいで、不可思議な生き物がたくさんいます。

でも、もちろんどっちかには分けられるわけで。

・・・と書いておきながら、いきなり反対のことを言うようですが、この広い世界には植物にも動物にも分けられないものもいます。その事について、ここでは論議しませんが、興味のある方はこちらのリンク(Wikipedia:「生物の分類」)などをご覧になって下さい。

さて、本題に戻ります。普通、ダイバーが目にする水中の生き物というのは、やっぱり大きく「植物」か「動物」に分けられる、と考えて差し支えないと思います。

で、どっちかに分けようとした時のざっくりとした定義は、こんな感じになると思います。

1)植物は光合成を必ずする。動物は光合成をしない。

2)独立栄養であるか、従属栄養であるか。
光合成をして自らエネルギーを生産し、そのエネルギーで生きていける。つまり独立栄養であるのが植物。他の生き物を食べることでしか命を長らえることの出来ない従属栄養であるのが動物。

3)盛んに動き回るかどうか。
動き回らないのが植物。(そのため独立栄養で生きていける)
動き回るのが動物。(そうやって他の生き物を摂取するため従属栄養である)

(参照:Yahoo知恵袋『動物と植物の境界・定義・違い』

もちろん、他にもあるのでしょうが、分かりやすい項目は上記のような感じになると思います。これを踏まえて。

幾つか例を挙げながら見ていきましょう。
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上の写真はソフトコーラルの一種でオオトゲトサカです。これを上の定義に従って見ていくと、まず1)の光合成をするかしないか、で言えば、しません。なので動物。

2)の独立栄養か否かは、これがちょっと難しいのですが、オオトゲトサカ自体は光合成をしません。そしてポリプの触手でプランクトンなどを補食して食べます。なので動物。

ただその体内に共生している褐虫藻と呼ばれる微生物が光合成をしています。そして宿主であるトゲトサカに光合成で得られたエネルギーを、言わば家賃代わりに提供しています。
つまり自身は従属栄養ですが、独立栄養の褐虫藻と共生することで、どっちも出来るってことですね。

3)の盛んに動き回るか否か、は固着しているので動き回りません。ここだけ見ると植物のようなので、混乱する原因となっているようです。

では次のウミカラマツはどうでしょうか。名前の通り、松のような枝ぶりですね。
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定義1)光合成はしません。なので動物。

定義2)独立栄養か否か。刺胞動物の仲間ですから、小さなポリプでプランクトンなどを補食して食べているはずです。つまり従属栄養ですね。

これ以外に、例えばオオトゲトサカのように共生している微生物がいるかどうかですが・・・。私が手元にある図鑑などを調べた限り、本種に褐虫藻などの微生物が共生している、との記述は見つけられませんでした。

定義3)やっぱり岩壁に固着して動きません。それとこのいかにも松っぽい見た目がくせ者で、一見して植物かな?と思わせます。でも結論は、動物です。

それじゃ、次のシマウミシダはどうでしょう。
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結論から言えば、これも動物です。でも岩場にふさふさと生えている様は、いかにも植物っぽい感じですよね。
1)光合成はしません。

2)羽根のように見える腕に引っかかったプランクトンを食べています。従属栄養ですね。

3)意外に自由に動き回ることが出来ます。腕をひらひらと動かして遊泳することも出来ます。

はい、いかがでしょう。少しは参考にしていただけたでしょうか。(*^^*)

この項目では動物と植物の違いをテーマにしましたが、もう少し広く生物の分類について、知りたい方は、こちらも参照して下さい。
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by idive-marinelife | 2001-02-14 11:43 | 用語の説明
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