タテジマキンチャクダイ
スズキ目キンチャクダイ科。
タテジマキンチャクダイと言っても、もちろん幼魚です。まず成魚を伊豆半島で目にすることはないと思います。一応この魚の分布を確認する為に「日本の海水魚」図鑑(山と渓谷社)で調べたところ、相模湾以南となっていてビックリしました。 2008年8月6日、谷口成生氏撮影。 2007年11月14日、私が撮影しました。 季節来遊魚と呼ばれる魚がいます。これ、ある特定の魚を指す言葉ではありません。 初夏から秋にかけて、暖かい南方の海から黒潮に乗って運ばれてくる南の魚たちの事を言います。 毎年顔ぶれが違いますし、また夏から秋にかけて伊豆の海をにぎわしたあと、水温の低下と共に姿を消していく、というその潔さ、儚さのようなものが日本人の心情にあっているのか、人気があります。 中でも人気のある魚のひとつ、タテジマキンチャクダイの幼魚です。キンチャクダイの仲間はチョウチョウウオの仲間に近く、美しい体色をした物が多いです。しかも幼魚の時は成魚とまったく違う模様を持つ種が多いのも特徴です。 成魚と幼魚の体色が違うのにはちゃんと理由があります。 キンチャクダイの仲間は縄張りを持ち、その縄張り内に入ってくる自分と同じ体色の魚を攻撃する習性があります。もし幼魚が成魚と同じ模様なら、大きくなる前に成魚に攻撃されてしまい大人になる事が出来ません。それは当然繁殖戦略上まずいわけで、それを解決するのが、この成魚と幼魚の模様が違う、というものです。 まあ、理由はなるほど、納得はいくものの、じゃあなんでこんなくるくる模様なんでしょうかねぇ・・・? 2012年8月17日撮影。撮影者は浅沼絵美さんです。場所は雲見・牛着岩の水深24mのアーチ、一番沖側の根に開いた小さな穴の中でした。体長は2cmくらい。しかし次の日にはもう姿を消してしまいました。二枚潮で、水温が急激に下がったことが原因でしょうか。
by idive-marinelife
| 2012-08-20 10:23
| 魚・タ行
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