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季節来遊魚(きせつらいゆうぎょ)

季節来遊魚とは、毎年初夏から秋にかけて、主に伊豆半島などの温帯域に黒潮に乗って漂着した熱帯・亜熱帯の魚のことを指します。本来はもっと南部の地域に生息する回遊性を持たない魚たちで、水温の低下とともに姿を消していくので「死滅」という言葉で表されていました。

上記にもあるように、以前は「死滅回遊魚(しめつかいゆうぎょ)」とも言われていました。同じ事ですね。ただ、語感がよくないので徐々にこちらの言葉「季節来遊魚」に置き換わりつつあるように感じます。

その理由としては、そもそも回遊ではないこと(本来の分布域に戻る能力がない)、またサケなどのように産卵後死滅する回遊魚と紛らわしいことなどがあげられます。

この「季節来遊魚・死滅回遊魚」は生態学的に正しい用語ではなく、ダイバーの間で通用する便宜的用語です。「無効分散」とも呼びます。これは繁殖に寄与しない分散という意味です。

一見すると無駄死にのようですが、環境の変化とともに、今まで生息できなかった地域で生息できるようになる可能性があり、まったくの無駄というわけでもありません。

逆に、漂着先で子孫を安定的に残すことが出来れば、それはもう「死滅回遊魚・季節来遊魚・無効分散」ではない、ということでしょうね。

伊豆の季節来遊魚は、主に紀伊半島や四国の魚たちのタマゴや稚魚が、流れ藻(主にホンダワラ類)に乗って漂着した時に出現するようです。その年によってこの流れ藻の多寡や漂着時期に違いがあり、これがその年の観察可能な季節来遊魚の種類を決定するようです。

伊豆では初夏になると毎年のようにさまざまな季節来遊魚が現れて、ダイバーを楽しませてくれます。毎年必ず見ることの出来る種や、まれにしか出現しないタイプなど、話題に事欠きません。

珍しくて見た目もきれいな季節来遊魚が出現すると、それを見る為だけに訪れるダイバーもいるほどです。最近では、2010年に雲見・三競に出現したイロブダイの幼魚が、レアな季節来遊魚の代表的な例でしょうか。
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by idive-marinelife | 2001-02-06 10:47 | 用語の説明
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